東野圭吾「容疑者xの献身」読了

容疑者Xの献身

容疑者Xの献身

SUGEEEEEEEEEEEE!
いやすごい。一文たりとて無駄がないです。ミステリ素人な私はトリック自体も見破れなかったのですが、裏の意味もしばらく気づきませんでした。(以下ネタバレ感想なので未読の方は見ないほうがよいです)最初に見せた(湯川に見破られたときの)嫉妬の表情以外は、地の文で表現されている醜い嫉妬の感情はすべて計算なのですよね。ストー カー(に見せかける)ための仕込みだろうなあということには気づいても、そのときの自らの感情までも計算に組み込んでいることには気づきませんでした。けして嫉妬にかられて靖子の交際相手の写真を盗み撮りしたわけじゃないのです。でもすっかり騙されました。これ、叙述 トリッ クの一種なのでしょうか。気づいたら涙腺決壊。

東野作品の中で今のところ一番好きかも。

探偵ガリレオ (文春文庫)予知夢 (文春文庫) と同じシリーズですので、読む方はこちらの短編集を先に読みましょう。